大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和24(オ)150 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士津田騰三、同富樫久吉の上告理由について。

第二点 所論は、原判決が「成立に争ない甲第七号証と当裁判所の真正に成立し

たと認める甲第九号証の一によれば、Dは被控訴人の子であつてその名義の罹災建

物も実際は被控訴人の所有に属し、罹災後本件地上に右D名義で建築許可申請がな

されたのもその実被控訴人が右Dの名義を借りてなしたに過ぎない事実が一応認め

られ、かように父が便宜その子の名義を借りて建物を建築し登記する等の事例は、

坊間ままあることであるから、右罹災建物の登記並びに建築許可申請がいずれも右

D名義にかかる事実のみを以つては被控訴人が本件土地を右Dに転貸していたと速

断するを許さず、ひつきょう右転貸の事実は本件にあらわれたすべての疏明方法に

よるもいまだ疏明を得ないものというの外なく、従つて本件賃貸借は右解除の意思

表示にかかわらず今なお存続しているものと認むべきである」と認定したことを非

難するのである。しかし、被上告人の立証である甲七号証、甲九号証の一の疏明に

もとずき原審のように認定することは一応首肯し得られるところであり、所論のよ

うに被上告人の有する立証責任を上告人に負わしめたものではない。この点に関す

る論旨は結局、事実認定の不当を非難するに帰し適法な上告理由と認め難い。

第一点 前に述べたように、原判決は罹災建物が実際上被上告人の所有に属する

ことを認めているのであるから、所論の法律論はその何れに決せらるべきものとし

ても、原判決の結論には何等の影響なきことは明らかである。論旨は採るを得ない。

よつて当裁判所は民訴四〇一条、九五条及び八九条の規定に従い裁判官全員一致

の意見で主文のとおり判決する。

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最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 眞 野 毅

裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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